一つの収入源だけに頼らないマレーシア人が増えている:ASEANデータが示す2026年のキャリア事情

調査背景
多くのマレーシアのビジネスパーソンにとって、2026年のキャリアプランニングは、もはや「今の仕事を続けるか、転職するか」だけの話ではなくなっています。収入の伸び、経済的なレジリエンス(回復力)、そしてテクノロジーの影響も、ますますキャリアを考えるうえで切り離せない要素となっています。
東南アジア全体でこうした優先事項がどう変化しているかを把握するため、Reeracoen GroupはRakuten Insightと共同で、マレーシア・シンガポール・ベトナム・インドネシア・タイ・フィリピンの消費者およびビジネスリーダー3,630人を対象にThe Great Restructuring: ASEAN Consumer & Business Pulse Survey 2026を実施しました。
マレーシアでは、調査対象の54%が本業に加えて追加の収入を求めていると回答しており、18%が転職を検討しています。特に25〜34歳の年齢層でキャリアの流動性が高く、34%に上ります。転職を検討しているマレーシアの回答者の中では、収入の増加が最も多い動機として47%に挙げられ、AI・自動化を挙げた人は25%でした。
これらは個別の指標です。本調査は、同じ人物が追加収入を求める一方で転職を検討し、AIスキルを磨いていることまでは示しておらず、追加収入がどのような形で得られているかも言及していません。分かるのは、マレーシアのビジネスパーソンが、より複雑なキャリア環境の中でキャリアを築いているということです。
実務的に重要なのは、次々と現れる新しいトレンドに振り回されるのではなく、どのようにキャリアの強さと市場価値を高めていくかという点です。
本調査について
「The Great Restructuring」は、Reeracoen GroupとRakuten Insightが共同実施した、マレーシア・シンガポール・ベトナム・インドネシア・タイ・フィリピンのASEAN6カ国を対象とする調査で、消費者およびビジネスリーダー3,630人を対象としています。本記事では、マレーシアのプロフェッショナルに最も関連するキャリア・消費者に関する調査結果を取り上げます。
主なポイント
- 回答者の54%が追加の収入を希望
- 18%が転職を検討。25〜34歳の層が最も流動性が高く34%
- マレーシアにおける転職の最大の動機は収入の増加で47%
- 転職を検討しているマレーシアの回答者のうち、25%がAI・自動化を理由として挙げる
- 本調査は追加収入の形態までは特定しておらず、スキルアップの行動も測定していない。スキルアップに関する提言はReeracoenによるガイダンスであり、調査結果ではない
2026 ASEANにおける概要
| 指標 | 調査結果 | 示唆すること |
|---|---|---|
| 転職意向 | 6カ国で13%〜29% | キャリアの流動性は市場によって大きく異なる |
| 追加収入を求める割合 | 47%〜71% | 経済的な対応策は域内全体で広く見られる |
| AIを転職の動機として挙げる割合 | 12%〜39% | テクノロジーはキャリアの意思決定の一部として、ますます重要になっている |
| 選択的な採用 | 32%〜47%の企業 | 求職者を取り巻く採用環境は、より慎重になっている |
| AI・テクノロジーを成長の優先事項とする企業の割合 | 24%〜33% | デジタル対応力が、人材戦略においてますます重要になっている |
追加収入を求める動きは、マレーシアに限らず広く見られる傾向
6カ国全体で、47%〜71%の消費者が、本業に加えて追加の収入を求めていると回答しています。中でもマレーシアは54%です。本調査は、その収入がフリーランス業務、副業、パートタイム勤務、投資、その他のいずれから得られているかまでは明らかにしていません。したがって、こうした具体的な形態だと決めつけることはできません。
最も妥当な結論は、追加収入を求める動きは、マレーシアを含む調査対象市場全体に共通する傾向である、ということです。
キャリアの流動性は若い世代に集中している
マレーシアの回答者のうち18%が転職を検討しています。マレーシア国内では、25〜34歳で転職を検討している割合が34%と最も高くなっています。これは、この年齢層の人が転職すべきだという意味ではありません。この年齢層では転職を積極的に検討している人の割合が高く、役職・給与・成長機会が市場水準に対してどうなのかを意識的に見直すのに適したタイミングだということです。
マレーシアで転職を検討する人々の間では、収入の増加が最も多い動機で、47%を占めています。転職前に自分の市場価値を理解しておくことの重要性を裏付けています。
AIは注目されているが、マレーシアでの転職の最大の動機ではない
転職を検討しているマレーシアの回答者のうち25%が、AI・自動化を理由として挙げています。これは意味のある数字ですが、収入の増加を下回り、6カ国のAI関連の割合(12%〜39%)の中でも低い方に位置します。
本調査は、マレーシアの労働者がこれに対応してスキルアップしているかどうかまでは測定していません。したがって、AIスキルの構築に関する提言はいずれも、報告された行動ではなく、Reeracoenによるガイダンスです。
ビジネスパーソンにとって実務上の問いは、「AIの専門家になるべきか」ではなく、「新しいツールが、自身の分野で雇用主が求めるスキルをどう変えつつあるか」です。
キャリアのレジリエンスを高めるための実践的なステップ
- 転職前に市場と比較する
収入の伸びが転職の主な理由であるなら、現在の待遇・職務内容・成長の道筋を、現実的な市場の選択肢と比較してみましょう。 - キャリアの流動性が高い時期を意識的に活用する
25〜34歳では、キャリア変更を検討する人の割合が高くなっています。この柔軟性を、単に転職回数を増やすためではなく、スキルを高め、キャリアの方向性を築くために活用しましょう。 - 自身の仕事に関連する分野でAIへの理解・習熟度を高める
これはReeracoenによるガイダンスであり、調査で測定された行動ではありません。自身の職務への実践的な活用に焦点を当てましょう。 - 追加収入は、財務上の意思決定として捉える
本調査はそれが一般的であることを示していますが、どのような形態を取るか、あるいはキャリアの成果を向上させるかまでは述べていません。 - 雇用主がどの分野を重視しているかに注目する
業務効率化とテクノロジーは、ASEAN全体で顕著なビジネス上の優先事項です。これらの優先事項が高まるにつれて、それを支えるスキルの重要性も増していく可能性があります。これはReeracoenによる解釈です。
よくある質問
Q1. マレーシアで追加収入を求めることは一般的ですか?
はい。調査対象のマレーシアの回答者の54%が、本業に加えて追加の収入を求めていると回答しており、これは6カ国の47%〜71%というレンジの中に位置します。
Q2. マレーシアの人々はどのような追加収入を得ていますか?
本調査では、具体的な収入源までは明らかにしていません。回答者がフリーランス、パートタイム、副業、あるいは特定の収入源を指していると考えるのは正確ではありません。
Q3. マレーシアにおける転職検討の動きはどの程度一般的ですか?
調査対象のマレーシアの消費者の18%が転職を検討しています。25〜34歳では、転職を検討している割合が34%と最も高くなっています。
Q4. AIは、マレーシア人が転職を検討する主な理由ですか?
無視できない要因ではありますが、主な理由ではありません。転職を検討しているマレーシアの回答者の間では、収入の伸びが47%で最多、AI・自動化は25%でした。
Q5. 本調査は、マレーシア人がスキルアップに取り組んでいることを示していますか?
いいえ。ここで使用している調査結果は、報告された行動としてのスキルアップを測定していません。Reeracoenは、テクノロジーと効率化が雇用主にとって顕著な優先事項であることを踏まえてスキルアップを推奨していますが、この提言は調査結果とは別のものとして扱う必要があります。
調査結果の全文、市場間比較、2026年のASEAN展望については、The Great Restructuring: ASEAN Consumer & Business Pulse Survey 2026をご覧ください。
市場への理解を深めて、次のキャリアを考える
求職者の皆様へ
ご自身のキャリアの選択肢について、Reeracoen Malaysiaのコンサルタントにご相談いただくか、現在募集中の求人をご覧ください。
将来を見据えてキャリアを考える皆様へ
転職が必要になる前に、現在の採用・人材トレンドを踏まえて、ご自身のスキルや市場価値、今後のキャリアの選択肢を見直しましょう。
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筆者について
Valerie Ong, Regional Head of Marketing, Reeracoen Group
Valerieは、アジア全域におけるReeracoenのコンテンツおよび市場インサイトを統括し、Reeracoenの専門採用コンサルタントと緊密に連携しながら、採用データ・給与水準のベンチマーク・労働市場のトレンドを、域内の雇用主やプロフェッショナル向けの実務的なガイダンスへと落とし込んでいます。その業務は、Salary Guide、Hiring Pulse、Hiring Manager Surveyをはじめとする、Reeracoen独自のリサーチに基づいています。
記事言語について
本記事は、英語で公開された記事の日本語版です。Reeracoen Malaysiaでは、バイリンガル・日本語話者のプロフェッショナルコミュニティ向けに、一部コンテンツを中国語・日本語でも公開しています。
参考文献
本記事内の調査統計および市場間比較は、上記の出典に基づいています。実務的な提言および将来的な示唆は、Reeracoenによる編集上の解釈であり、調査結果とは区別して記載しています。

免責事項
本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、公開時点で得られていた調査結果および市場解釈を反映したものです。ビジネス環境、採用トレンド、キャリアの結果は、市場・業界・個々の状況により異なります。本調査の結果は、将来の採用、投資、収入、経済的な結果を保証するものと解釈されるべきではありません。
