マレーシアの現地採用とは?駐在員との違い・給料・福利厚生・ビザ条件を解説【2026年版】

マレーシアお仕事情報October 16, 2026 10:00

駐在とどう違う?給料は?マレーシア現地採用のすべて

こんにちは!リーラコーエンマレーシアです。

「マレーシアで働きたいけど、現地採用と駐在って何が違うの?」
「現地採用だと給料は下がる?保険や年金はどうなるの?」

マレーシアで働くことを考え始めた方が、最初につまずきやすいポイントです。

現地採用と駐在員の大きな違いは、雇用の形と海外で働くまでの経緯です。

駐在員は日本の会社に雇用されたまま、会社の辞令でマレーシアへ赴任します。

一方、現地採用は、マレーシアの雇用主が募集する求人に応募し、採用後にその雇用主と直接雇用契約を結んで働く形です。現地採用は応募先やキャリアの方向を自分で選びやすい一方、採用や契約更新は雇用主との合意が必要で、就労ビザの申請・承認も別途必要です。

本記事では、駐在員との違い、給料・福利厚生、2026年に変わった就労ビザの条件、その後のキャリアまでを解説します。いいことばかりではなく、事前に知っておきたい注意点と、その備え方もあわせてお伝えします。


【目次】

  1. マレーシアの現地採用とは?
  2. マレーシアの現地採用と駐在員の違い【比較表】
  3. マレーシアの現地採用の年収の目安は?
  4. マレーシアの現地採用の福利厚生・待遇
  5. マレーシアの現地採用で働くメリット・デメリット
  6. マレーシアの現地採用後のキャリア
  7. まとめ|マレーシアの現地採用は「自分で選べる働き方」

1. マレーシアの現地採用とは?

現地採用とは、マレーシアにある会社(日系企業の現地法人、外資系企業、ローカル企業など)と直接雇用契約を結んで働くことです。給料は基本的にマレーシアリンギット(RM)で支払われ、休暇や労働時間はマレーシアの労働法に沿って決まります。

日本の会社を辞めてマレーシアの会社に入る、いわば「マレーシアへの転職」です。

一方で、日本の会社から海外へ派遣される「駐在員」とは、雇用関係や待遇の決め方が異なります。駐在員の雇用形態は、出向などの仕組みによっても変わります。

外国人がマレーシアで働くには、会社が申請する就労ビザが必要です。

就労ビザの有効期間は、カテゴリー、雇用契約、申請内容、承認結果などによって異なります。期間の定めがある雇用契約もありますが、雇用契約の期間と就労ビザの有効期限は別々に確認しましょう。


2. マレーシアの現地採用と駐在員の違い【比較表】

現地採用と駐在員の違いを、「それを決めるのは誰か」という視点で整理しました。

マレーシアの現地採用と駐在員の違い
決めること 現地採用 駐在員
マレーシアで働くかどうか 自分 会社(辞令)
どの会社・どの仕事か 自分(求人を選んで応募) 会社
いつまで働くか 本人と雇用主の合意、雇用契約、ビザの承認・有効期間による 会社の任期・配置方針に加え、就労ビザの承認・有効期間による
就労ビザ 必要(雇用主が申請) 必要(赴任先の現地法人などが申請)
給料の水準 マレーシアの相場(RM払い) 日本の給与が基準+海外手当
住まい 自分で選んで自分で払う(手当がある会社も) 会社が用意・負担することが多い
社会保険 マレーシアの制度(EPF・SOCSO) 日本の社会保険を継続することが多い

こうして並べると、駐在員は会社の派遣方針や任期に沿って働くことが多く、現地採用は応募先やキャリアの方向を自分で選びやすい働き方です。ただし、待遇や選択できる範囲は、会社・雇用契約によって異なります。なお、現地採用・駐在員のどちらも、マレーシアで働くには就労ビザが必要で、働ける期間もビザの有効期間に左右されます。

駐在員は社内選抜を通る必要があり、ポストも限られます。「今、マレーシアで働きたい」と思ったときに、自分の意思で動けるのは現地採用です。


3. マレーシアの現地採用の年収の目安は?

▽マレーシア現地採用の年収の目安は?

弊社の求人・紹介実績に基づく月給の目安であるRM7,000〜10,000を12か月分で計算すると、賞与や別途手当を除く年間給与はRM84,000〜120,000となります。実際の年収は、賞与・インセンティブ・各種手当の有無や支給条件によって異なります。

※これは弊社の求人・紹介実績に基づく給与目安を年額換算したものであり、マレーシアで働く日本人全体の平均年収ではありません。

▽2026年6月から、ビザに必要な「最低給料」が変更になりました

マレーシアで働くための就労ビザ「EP(Employment Pass/雇用パス)」には、カテゴリーごとに最低給料(基本給)が決められています。2026年6月1日以降の新規・更新申請から、この基準が引き上げられました。

就労ビザ(EP)の最低給料(2026年6月1日以降の申請)
カテゴリー 最低給料(月額・基本給)
カテゴリーI RM20,000以上
カテゴリーII RM10,000〜19,999
カテゴリーIII RM5,000〜9,999

就労ビザを取得して働く場合、申請カテゴリーに応じた最低基本給の要件を満たす必要があります。ただし、給与要件を満たしていても、就労ビザの承認や採用が保証されるわけではありません。

求人に応募する際は、給与額だけでなく、求められる経験・スキルや就労ビザの申請条件も確認しましょう。

また、2026年6月1日以降に提出された就労ビザ申請では、Category IIIも扶養家族向けパスを申請できるようになりました。帯同には家族関係などの要件を満たし、別途承認を受ける必要があります。旧制度で発行された就労ビザについては、適用条件を確認してください。

※また、2026年10月9日の2027年度予算発表では、Category Iの就労ビザ保有者の配偶者で、扶養家族パス(DP)を持つ人に対し、2027年1月1日から条件付きで就労を認める方針が示されました。家族帯同と配偶者の就労許可は別の制度であり、DPを取得すれば自動的に働けるわけではありません。具体的な就労条件や申請手順は、今後の公式案内を確認する必要があります。

※2026年10月14日時点で確認した公表情報に基づいています。2027年開始予定の制度については、実施条件・手続きが今後明確化される可能性があります。

▶ 【2026年6月更新】マレーシア就労ビザ(EP/雇用パス)条件が大きく変更されます

▽求人票は「月給」ではなく「1年でいくら残るか」で見る

求人を比べるときに、月給の数字だけを見るのはおすすめしません。ボーナスの有無、インセンティブ、各種手当は会社によって大きく違い、月給が少し低くても、年間で見ると逆転することがあるからです。

▶ 給料の相場と年収アップのコツ:マレーシアで働く日本人の給与はいくら?現地採用の実態【2026年版】
▶ 実際の生活費と貯金額:【2026年最新】マレーシアの生活費はいくら?現地採用社員2名のリアルな内訳・手取り・貯蓄額を徹底比較!

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4. マレーシアの現地採用の福利厚生・待遇

福利厚生は、会社による差が一番大きいところです。内定が出たら、オファーレター(雇用条件通知書)の内容を一つずつ確認しましょう。

▶ 【保存版】マレーシア就職/転職のオファーレター確認ポイントとは?

4-1. マレーシア現地採用の休暇・労働時間

マレーシアの雇用法(Employment Act 1955)では、労働時間の上限は週45時間です。年次有給休暇は、勤続年数に応じて次のように定められています。

  • 勤続2年未満:8日
  • 勤続2〜5年:12日
  • 勤続5年以上:16日

これとは別に、医師の診断書(MC:Medical Certificate)があれば使える病気休暇もあります(勤続2年未満は年14日)。体調を崩しても有給休暇を減らさずに休めるのは、日本との大きな違いです。

4-2. マレーシア現地採用の保険・EPF(退職積立)

EPF(退職積立)
マレーシアには、日本の年金にあたる公的な退職積立制度「EPF(KWSP)」があります。2025年10月からは、外国人の従業員もEPFへの加入が義務化されました。拠出率は、従業員2%+雇用主2%です。

たとえば月給RM8,000なら、毎月「本人RM160+会社RM160=RM320」が積み立てられます。給与から引かれるのではなく、自分の名前の口座に貯まっていくお金で、帰国するときには条件を満たせば引き出せます。

▶ マレーシアの給与明細のEPFって何?仕組み・利率・引き出し方を日本人向けに解説【2026年版】

SOCSO(社会保障)
仕事中や通勤中のけが・病気に備える公的な保険「SOCSO(PERKESO)」にも、外国人の従業員は加入します。

医療保険
多くの会社が、医療費の補助や団体医療保険を用意しています。ただし、1回あたりの上限額や使える病院は会社によって違います。持病がある方や家族と移住する方は、個人の保険を足すかどうかも含めて考えておくと安心です。

4-3. マレーシア現地採用の税金・日本の年金

所得税
マレーシアの所得税は、その年(1〜12月)にマレーシアに何日いたかで扱いが変わります。

  • 182日以上:居住者として、所得に応じた累進税率
  • 182日未満:非居住者として、一律30%

年の途中から働き始めた場合、最初は非居住者として扱われ、手取りが思ったより少なく感じることがあります。渡航直後の生活費は、少し多めに見積もっておきましょう。

日本の年金・健康保険
日本の住民票を抜いて(海外転出届を出して)マレーシアで働く場合、国民健康保険や国民年金に加入する義務はなくなります。年金の加入期間が途切れるのが気になる方は、国民年金に任意加入することもできます(20歳以上65歳未満が対象)。将来日本に戻る可能性がある方は、渡航前に一度検討しておくと安心です。


5. マレーシアの現地採用で働くメリット・デメリット

▽メリット

  • 思い立ったときに動ける:社内選抜も辞令もいりません。求人に応募し、内定が出れば、自分のタイミングで海外キャリアを始められます
  • お金の「残り方」が変わる:住まいや暮らし方の選び方次第で、固定費を日本より下げられます
  • 毎日が異文化交流:マレー系・中華系・インド系など、多様な背景を持つ同僚と働く日常そのものが、日本では得にくい経験になります

▽デメリットと、その備え方

デメリットは知っていれば備えることができます。

  • 年収は月給だけでは決まらない
    → ボーナスや手当がない、または少ない会社もあります。月給ではなく「年間の総額」と「1年で残るお金」で比べましょう
  • 成長は環境任せにできない
    → 担当業務が固定されやすいポジションもあります。「この会社で何を身につけるか」を、入社前に自分の言葉で決めておくことが大切です
  • ビザや会社の状況に左右される
    → ビザ制度の変更や、プロジェクトの終了などで働き方が変わることがあります。EPFや貯金で、いざというときの備えをつくっておきましょう
  • 円に換算すると価値が変わる
    → 給料はRM払いのため、日本円での価値は為替次第です。日本への仕送りや帰国後の資金計画がある方は、為替の変動も頭に入れておきましょう

▽マレーシアの現地採用が合う人

  • 自分のキャリアを、自分で決めたい方
  • 英語や多国籍な環境で、自分の力を試したい方
  • 思いどおりにいかないことも、経験として前向きに受け止められる方

逆に言えば、マレーシアで「何をしたいか」が決まっている方ほど、現地採用の自由さを活かせます。


6. マレーシアの現地採用後のキャリア

現地採用の「その後」には、いくつもの道があります。

  • 今の会社で上を目指す:マネージャーなどへの昇進に伴い、給与が上がる場合があります
  • マレーシア国内で転職する:経験を積んで、より条件の良い会社に移る方も多くいます(転職の際は、ビザを申請し直します)
  • 日本に戻って経験を活かす:海外での実務経験や英語力は、海外営業や日系企業の海外部門などで評価されやすくなります
  • ほかの国へ挑戦する:マレーシアでの経験を足がかりに、シンガポールなど他のアジアの国へ移る方もいます

どの道を選ぶにしても、強みになるのは「マレーシアで何をやってきたか」を具体的に語れることです。数字で示せる実績や、英語で進めた仕事の経験は、次の転職でそのまま武器になります。


7. まとめ|マレーシアの現地採用は「自分で選べる働き方」

マレーシアの現地採用は、駐在員のような手厚い手当がない代わりに、働く場所も、期間も、キャリアの方向も自分で選べる働き方です。

生活費を抑えやすく、EPFなどの制度も整っています。一方で、福利厚生や契約の内容は会社によって大きく違い、2026年からはビザの給料条件も変わりました。

後悔しないためには、給料の額面だけで判断せず、福利厚生・ビザ・その先のキャリアまで含めて、オファーの内容を確かめることが大切です。

日系の人材紹介会社リーラコーエン マレーシアでは、マレーシア国内のお仕事紹介だけではなく、あなたに合わせたキャリア構築や、内定獲得に向けた面接対策などの無料相談を行っております。「自分は現地採用でやっていけるかな?」という段階からでも、日本人キャリアアドバイザーが丁寧にお話を伺います。

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【参考】
Employment Act 1955 (Amendment) 2022|マレーシア政府ポータル
EPF / KWSP 公式サイト
Foreign Worker|PERKESO(SOCSO)